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第23回全日本シクロクロス選手権【エリート女子】勝負はゴールスプリント、今井美穂の初勝利

レース
長野県・野辺山で行われた、2017年度全日本シクロクロス選手権。泥の接戦となったエリート女子クラスの勝利を、今井美穂(CO2bicycle)が最後、ゴールスプリントで勝ち取った。

 

午後12時過ぎにスタートしたエリート女子レース。気温は高く、つまり路面は緩んだ泥が多いという状況。スタート後1周を待たずに、先頭を3人の選手が固め、そのまま後続を引き離していく。

この3人とは、まず女子ワールドチームに所属し欧州を中心に活躍する與那嶺恵理(FDJ)。二人目は今年のMTB全日本選手権にも参戦し2位を獲得した、高い乗車技術を持つ今井。そしてもう一人が、今年1月の世界選手権で脱臼した肩、それに起因する故障の治療のためレース活動を休止していた、「シクロクロス東日本の女王」の異名も持つ選手、坂口聖香(S-Familia)であった。


 

3選手それぞれがチャンスをうかがいつつ、飛び出せない状態が続いたレースだったが、最終周回の終盤にその均衡が突然崩れた。コーナリングからの立ち上がりにリズムと加速を必要とする「フライオーバー」(橋のようなセクション)の直前で、與那嶺が転倒。そのフライオーバーを超えた直後の大きく傾いた路面での走りで、今井と坂口との差がついた。

乗車技術に長ける今井はその滑りやすい路面でも、自転車に乗り続けた。一方の坂口は、そこを確かに超えて行くべく自転車を降りて押した。今井は前に出る。一方の坂口は、押して走ったことで、氷土がシューズのクリートにまとわりつき、ビンディングペダルがなかなかはまらなかった。

それが決定的な差となった。そこから数百メートルのフィニッシュラインまで二人は走り、最後はゴールスプリントに。後ろから追い上げた坂口だったが、ホイール半分及ばなかった。誰しもが「いいレースだった」と振り返った、今年のエリート女子全日本シクロクロスのタイトルを、今井は初めて獲得した。
 

「昨日から楽しみでした。これまで5回(全日本選手権に)出た中で、昨晩は一番よく眠れましたし。野辺山、やっぱり大好きです」(今井)。

「今井さんは、今日強かったです。私も(全日本選手権の勝利は)味わっているので、この優勝を素直におめでとうって思います。彼女も今までずっと、苦労してやってきたので、素直に、そう言えますね」(坂口)



エリート女子
1 今井美穂(CO2bicycle)46:39
2 坂口聖香(S-Familia)+0:00
3 與那嶺恵理(FDJ)+0:28



大会名: 全日本選手権自転車競技大会-シクロクロス
開催日: 2017/12/10
開催地: 長野県・滝沢牧場特設コース
主催・主管: 日本自転車競技連盟