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どうやってチームに? 大宅陽子が聞く、みんなで走るストーリー 第3回 『いんなーろー』編

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サイクルスポーツ本誌はもちろん、NHK BS1の番組「チャリダー★」にも「坂バカ女子部」として登場した、大宅陽子さんが、サイクルスポーツの連載記事をスタート。仲間と走る楽しさを伝えるべく、各地のチームライドにおじゃま。チームの活動内容や、チーム結成のいきさつ、メンバーの素顔にせまる。

記事の最後には、チームへの連絡方法も乗っているので、「1人で走っていて仲間がほしいな」という人は近くのチームに連絡してみて!
1人で走るのも楽しいサイクリングだけれど、仲間がいれば人数分だけ魅力は倍増する。その門戸は開かれているのだ!
 

第3回 『いんなーろー』編

インナーローでゆったりと走るのか。それとも、とんでもない勾配をインナーローを駆使して攻めるのか…。今回は「いんなーろー」のライドに参加(体験入団?)させていただいた。

朝9時に神奈川県の小田急電鉄伊勢原駅近くのコンビニで集合。集まってくるメンバーは「4月から社会人です」「就職して2年」といった20代が中心で、会話の様子や交わす冗談にも若さを感じる。爽やかな配色と柔らかい字体のチーム名がプリントされたジャージが、チームの雰囲気とよく合っている。リーダーの中川さんからコースの説明があり、ライドスタート。

チームは2グループに分かれ、それぞれ中川さんと副リーダーの髙野さんが先導。どちらのグループも最後尾に経験者がつき、ビギナーを挟むトレインができ上がった。トレインは乱れることなく、交通ルール順守の安全走行で進む。


 
桜と共に記念撮影 Photo:Yoko Oya
桜と共に記念撮影 Photo:Yoko Oya
陽気なメンバーの皆さん Photo:Yoko Oya
陽気なメンバーの皆さん Photo:Yoko Oya

金目川沿いを進み、土屋橋から秦野越え。上りは各自のペースで走行した。上り終えた後は「山岳賞をとりにいった」「アウタートップ集団だ」といった言葉が飛び交い、笑顔が弾む。

中井で桜を眺め、大井松田方面へ向かった。酒匂川沿いをゆったりとしたペースで気持ちよく流し、小田原の『MILK MILK』で休憩。クレープやソフトクリームを楽しんだ。

グループのメンバーは臨機応変に入れ替わり、走りやすい道では、先頭を交代しながらペースアップ。随時コンビニ休憩を取りつつ進んでいく。

帰りは国道一号線を東へ進んでから、海老名、座間を通過。信号待ちでは「腹減った」「ラーメン食いたい」という声がちらほら。日暮れ頃、最終目的地「双龍」に到着した。ここは「ろんぐらいだぁす」にも登場する聖地として知られ、店主も自転車乗り。メンバーは常連客で「どこまでいってきたの?」等と会話を交わしながらボリューム満点の料理に舌鼓を打った。

 
秦野の上りを桜を眺めながらクリア Photo:Yoko Oya
秦野の上りを桜を眺めながらクリア Photo:Yoko Oya
酒匂川沿いをゆったりとしたペースで進む Photo:Yoko Oya
酒匂川沿いをゆったりとしたペースで進む Photo:Yoko Oya

チーム結成は2014年12月。一緒にライドを楽しんでいたリーダーの中川さんと大学の同級生の青山さん、ツイッターを通じて知り合った髙野さんで結成した。

「いんなーろー」という名前にした理由は「がっつり走るチームにはしたくなかった」のと「響きがよかったから」。平仮名表記にすることで緩い雰囲気を表現したのだそう。

中川さんは高校2年生の時に横浜からディズニーランドを往復し、そこからどっぷりと自転車にはまった。学生時代は自転車屋でアルバイトをしていたので、メンテナンスもお手のものだ。取材中もメンバーのバイクの調整をするなど頼りがいのある姿を見せた。また、チームジャージのデザインも手掛けている。「最初に自転車を買ったお店に恵まれず、自ら調べてメンテナンスをする中で失敗を重ね苦労をした」「自転車は初心者には風当たりが強い分野。このチームのライドを通してサポートしていければ」と優しい笑顔で語ってくれた。

髙野さんは細かいところに気がつく女将さん的存在。チーム全体を見ながら、リーダーのいないグループをフォローしていた。落ち着いた走行で先導したり、ユニークな人柄で皆を笑わせたりしていたが、普段は実業団レースも走る実力者だ。「中川さんの人柄で仲間が集まっているチーム」と謙遜しながらも「交通ルールや集団走行の仕方は、メンバーにアドバイスをしている」とチームをまとめる心意気をみせた。

 
メンバーおすすめは「チョコバナナクレープ+チョコソフトクリーム」 Photo:Yoko Oya
メンバーおすすめは「チョコバナナクレープ+チョコソフトクリーム」 Photo:Yoko Oya
みんなで円卓を囲んでがっつり食事を楽しむ! Photo:双龍店長
みんなで円卓を囲んでがっつり食事を楽しむ! Photo:双龍店長

どんな装備で?

左から初代、2代目、3代目 Photo:Yoko Oya
左から初代、2代目、3代目 Photo:Yoko Oya
首元には「白米大好き」の文字 Photo:Yoko Oya
首元には「白米大好き」の文字 Photo:Yoko Oya

チームのメンバーは合計16人。10代1人、20代13人、30代40代がそれぞれ一人ずつ。新規加入は髙野さんの誘いやTwitterでメンバーと仲良くなり加入することが多い。いんなーろーの公式アカウントの発信を見て入ってきた仲間もいる。

神奈川在住のメンバーが中心だが、就職などで県外へ転居したメンバーも輪行で集まり参加している。メンバーのやり取りはツイッターが中心。

他の実業団チームと兼部しているメンバーも約半数程度いるが、皆「いんなーろーのライドはゆったり走るライド」と割り切って参加しているので、集団が乱れることはないとのこと。前日実業団レースを走ってきたメンバーは、集団の後ろを守り落ち着いた走行をしていた。「今日はリカバリーライド。上りは少しペースを上げているけれど、それも受け入れてもらえる。キャパの広いチームだと思う」と余裕のある笑顔を見せた。

「お父さん」の愛称で呼ばれていた伊藤さん。チーム最年長の43歳だ。チームに加入して1年ほど。もともと髙野さんと一緒に練習をすることが多く、その縁でチームに加入した。「走っていれば調子がいい時も悪い時もある。このチームはストイックじゃないところが魅力」「初代ジャージに魅かれた。“白米大好き”って普通入れないでしょ」と楽しそうに語ってくれた。

最年少の田中さんは19歳。「ツイッターの投稿を見ているとメンバーのバイクにビアンキが多く、ビアンキオーナーのチームだと思った」という勘違いから加入。「楽しいチームですよ」と快活な笑顔を見せた。彼も社会人であり、同年代のメンバーと仕事について語らう姿が印象的だった。

チームライドの開催頻度は月に1回程度、土日のどちらかで開催している。その他、数人で集まって走ることもあるとのこと。

チームライド参加希望者は随時募集中。性別、年齢は不問。
参加条件は「交通ルールを順守できる人」「社会人としてのマナーが守れる人」。

ツイッターの公式アカウント
ブログ
からアクセスしてみよう。

 

メンバーはこんな人たち!

髙野さん(左)、青山さん(中央)、中川さん(右)
髙野さん(左)、青山さん(中央)、中川さん(右)
田中さん(左)と伊藤さん(右)
田中さん(左)と伊藤さん(右)


【走行距離】75㎞ 獲得標高476m

【立ち寄りどころ】『MILKMILK』『北京料理 双龍』

【ペース】交通量の多いところは全員が落ち着いて走行できるペース。上りは各自ペース。

【フレンドリー度】普段からTwitterでの交流があり、会話が盛り上がる。



※「いんなーろー」にはブルベ班があり、ブルベやキャノンボールに励む豪脚メンバーもいる。チームライドはゆっくりペースなのでご心配なく。

いんなーろーは、フレッシュなメンバーの和やかさと、安全順守の走行が素晴らしいチームでした。ビギナーも安心して参加できます。Twitterでの投稿はほっこりとしていて楽しそうな様子が伝わってくるのでぜひチェックしてみてください。

ライドコースはこちら!





大宅陽子(おおやようこ)

この連載のレポーター。ヒルクライムをこよなく愛するサイクリスト。各地のヒルクライム大会で入賞、ジャパンカップオープン女子完走の経歴をもつ。また、ヨガインストラクターとして自転車競技の特性に合わせた「サイクリストヨガ」のレッスンを各地で開催中。


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