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【TOJ第6ステージ速報】キナン区間2連勝、マルコス・ガルシアが総合優勝に向けて王手
レース
2018.05.25
ふじあざみラインは、全長11.4km、平均勾配10.5%、最大勾配22%と、先日のジロ・デ・イタリア第15ステージでも走られたモンテ・ゾンコランとコースプロフィールが似ているとされている。クルマで上るのも大変なほどの急勾配でおなじみだ。選手たちはこの激坂区間を一発勝負で駆け上がる。
5月25日(金)、スタート地点の富士スピードウェイでは、富士山が見え隠れする曇り空が広がっていたが、フィニッシュ地点は富士山の輪郭がはっきりと見える晴天。
2020年、東京オリンピックのゴール地点とされている富士スピードウェイをスタートすると、タイラー・ウィリアムズ(イスラエルサイクリングチーム)とトーマス・スチュワート(JLTコンドール)が逃げグループを形成。さらにシモン・ペロー(チーム・イルミネート)がその2人に追いついた。
メイン集団では、グリーンジャージを持つトマ・ルバ擁するキナンサイクリングチームが主導権を握った。集団は、あざみラインに入るところで逃げグループ3人を吸収。ふりだしに戻り、去年までのコース設定と同様、ふじあざみラインでの勝負となった。
ふじあざみラインに入るとキナンサイクリングチームに代わり、ベネロング・スイスウェルネス・サイクリング・チームやマトリックスパワータグが集団先頭に立つ。このTOJに向けて調子を上げてきたホセ・ヴィセンテ・アルコレア(マトリックスパワータグ)ら攻撃を開始する。隙を見て、集団からクリス・ハーパー(ベネロング・スイスウェルネス・サイクリング・チーム)が抜け出した。
残り8km付近でマルコス・ガルシア・フェルナンデス(キナンサイクリングチーム)が満を持してアタックを仕掛けると、誰も背中に付けず、独走を許す形となった。ガルシアは、すぐに先頭のハーパーをパスすると、ペースを刻んで後続とのタイム差を稼いだ。
残り4km付近でヘルマン・ベルシュタイナー(バーレーン・メリダ)が集団から飛び出す。ガルシアとのタイム差はおよそ1分ほど。ハーパーを抜いたペルシュタイナーはガルシアとの距離を縮めるが、淡々と登り続けるガルシアは後ろを気にすることはなかった。ガルシアが単独先頭でフィニッシュラインを切り、バイクを高々と掲げた。追走のぺルシュタイナーは28秒差でゴールした。
富士山ステージの結果を受けて、総合順位はシャッフルされた。前日まで首位につけていたトマ・ルバのタイム差は覆り、チームメイトのガルシアにグリーンジャージを明け渡すこととなった。
スプリント賞、山岳賞の順位は変わらず。それぞれのジャージ争いは僅差で2位以降が迫る。全ての戦いはラスト2ステージに託された。
text:滝沢 佳奈子
photo:2018TOJ/滝沢 佳奈子
優勝したマルコス・ガルシアのコメント
「今日はチーム全体としてレースをコントロールできたと思います。最初の2周はチームメイトと一緒にコントロールしました。あとはそれぞれの力で富士山に上っていこうという作戦で、僕が優勝することができました。」
レース展開について、「チームメイトが周回コースでいいスピードでリズムを作ってくれました。そのリズムを作った中で上りに入りました。ホセ・ヴィセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が出て、その後自分も脚を使って上っていきました。
一人になってからは、後続のスピードを考えるよりも自分のリズムで上がっていこうと思いました。自分のリズムを保ちながら、ゴールまで上がっていくことができました。」
総合では2位に39秒差でペルシュタイナーが迫る。明日のレースについては、「2位とのタイム差が僅差で、伊豆ステージはハードなことはわかっています。ただ、僕はチームメイトを信じているので、ジャージを守れると思っています。」と力強く話した。
山岳賞ジャージをキープした小石祐馬のコメント
プラデスの総合順位と小石の山岳賞を守りながら明日以降どう戦っていくのだろうか。
「レースは何が起こるかわからないので、タイム差を逆転するのはもちろん難しいですけど、監督の指示待ちなところが大きいですね。
もちろん山岳賞は狙いたいですが、特に伊豆ステージでは先頭に入って、逃げに入れば意味のあるコースなので、そういう意味では僕自身の山岳賞もチャンスあると思うし、それがプラデス選手の総合に影響しないように、上手に噛み合っていく動きもできるかと思います」
第6ステージ順位
1位 マルコス・ガルシア・フェルナンデス(キナンサイクリングチーム) 1時間19分19秒
2位 ヘルマン・ぺルシュタイナー(バーレーン・メリダ) +28秒
3位 クリス・ハーパー(ベネロング・スイスウェルネス・サイクリング・チーム) +1分48秒
個人総合時間賞(グリーンジャージ)
1位 マルコス・ガルシア・フェルナンデス(キナンサイクリングチーム) 14時間2分52秒
2位 ヘルマン・ベルシュタイナー(バーレーン・メリダ) +39秒
3位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) +56秒
個人総合ポイント賞(ブルージャージ)
1位 グレガ・ボレ(バーレーン・メリダ) 72pt
2位 マルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 70pt
3位 ミッヘル・ライム(イスラエル・サイクリング・アカデミー) 50pt
個人総合山岳賞(レッドジャージ)
1位 小石祐馬(チーム右京) 16pt
2位 マルコス・ガルシア・フェルナンデス(キナンサイクリングチーム) 15pt
3位 草場啓吾(日本ナショナルチーム) 15pt
個人総合新人賞(ホワイトジャージ)
1位 サム・クローム(ベネロング・スイスウェルネス・サイクリング・チーム)
2位 クリス・ハーパー(ベネロング・スイスウェルネス・サイクリング・チーム)
3位 ホセ・マヌエル・ディアス・ガジェゴ(イスラエル・サイクリング・アカデミー)
チーム総合
1位 キナンサイクリングチーム