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カンパニョーロとフルクラムの35mmモデルを乗り比べ! ボーラ35&レーシングスピード35

2014年シーズンで気になるホイールジャンルといえばミドルハイトリム。ホイールメーカーの雄、カンパニョーロのボーラウルトラ35と、フルクラムのレーシングスピードXLR35を乗り比べる! 

場所は千葉県鴨川市の「内浦山県民の森」周辺。試乗フレームはルック・675。タイヤはハッチンソン・カーボンコンプを使用した。

 

text●ナカジ photo●佐藤正巳

ボーラ35シリーズ

カンパニョーロが、人気のミドルハイトカテゴリーに用意したのがボーラ35シリーズだ。リムハイト50mmのボーラのミドルハイトとなるわけだが、ハブとリムは新設計のモノが採用されている。

 

同社の軽量モデルであるハイペロンよりも、リムハイトが高いにもかかわらず重量は軽く仕上がっている。リヤホイールのスポークパターンは、カンパニョーロ製ホイールのアイコンでもあるG3パターンだ。

 

リムのブレーキ面には「3ディアマントトリートメント」という処理が施されており、ブレーキ面の平滑度を向上させることで、制動力を安定向上させている。

 

ノーマルモデルのボーラワン35は、アルミ製ハブとスタンダードベアリング。上位グレードのボーラウルトラ35は、カーボン製ハブにセラミックベアリングのCULTを採用している。リムは共通だ。

 

ボーラワン35とボーラウルトラ35を乗り比べチェック!

まずはボーラワン35(写真下)に試乗。ベースグレードとはいえ十分よく走ってくれる。G3スポークパターンとリムの硬さのバランスが優れているのは、50mmボーラと同じ、自分のペダリングペースともマッチしてくれる感覚だ。ハイトの低さゆえの軽快な加速。癖のないハンドリングは魅力。

 

ブレーキをかけていったときのタッチも、今までのカーボンとは違う、シューがしっかり引っかかって効く印象だボーラワン35だけを乗っていたら、これで十分だと思っただろう。

 

しかし、そんな気持ちもボーラウルトラ35(写真上)に乗ると変わる。どちらも、踏み込んでいった時に気持ちいい加速感を味わうことができるが、”ウルトラ”のほうがよりキレがある。スペックを比べればハブが違うだけだが、走りは別物だ。

 

決戦用ホイールを買いたいと考えたとき、どちらも選択肢として上げられる。価格を比べてみるとボーラワン35が23万4150円なのに対して、ボーラウルトラ35は38万7450円。約15万円の差は大きい・・・。だが、試乗してしまうと、とても悩ましいことなるだろう。

 

フルクラムにも“35”カテゴリーが登場

ボーラ35シリーズの兄弟分にあたるのがフルクラム・レーシングスピード35シリーズだ。ボーラ35シリーズと共通のリムを使用し、リヤホイールのスポークパターンは、2:1パターン。本数自体はG3と同じだが、スポーク同士の感覚がこちらのほうが広い。

 

グレードも2つ用意されており、ベースグレードがレーシングスピード35(写真下)、上位がレーシングスピードXLR35(写真上)だ。上位グレードはアルミフランジでハブの胴はカーボン製となっている。ベアリングはもちろんCULT。

ノーマルとXLRの差

ボーラ35シリーズと同じように、レーシングスピード同士も乗り比べてみると、やはりまったく別物。

 

XLR35のほうが加速もブレーキングもすべてにおいて一枚上手に作られている。価格差10万円だが意味のある10万円だ。

 

特にXLR35は、乗り手をあおってくるようなスパルタンなホイール。下りでも安定しているので不安なく突っ込んでいける。軽さはもちろん、巡航性能も持ち合わせている。ヒルクライムでも、ロードレースでも使える一本だ。

 

ただ、個人的な好みでいえば、どちらも硬い味付けに作ってあるので苦手。その硬さゆえにXLR35の踏み出しの軽さはあるが、スピードの伸びがもう少し出て欲しいところ。レーシングスピード35については、より顕著な印象だ。

 

逆に、硬いホイールが好みという人にとってはボーラ35シリーズよりも好印象になるのではないだろうか?

 

 

フルクラム・レーシングスピードXLR35 価格/35万7000円

フルクラム・レーシングスピード35 価格/25万7250円

 

ボーラ35シリーズとレーシングスピード35シリーズでは?

ボーラ35シリーズと比べると、レーシングスピード35シリーズのほうが、硬い印象だ。正直、自分の体重と脚力だと、硬すぎる。ボーラ35シリーズのしなりが効いているほうが好印象だった。

 

ボーラ35シリーズとレーシングスピード35シリーズを、好みの順に並べるとボーラウルトラ35>レーシングスピードXLR35>ボーラワン35>レーシングスピード35だ。

ただ、価格を含めて考えると、レーシングスピードXLR35とボーラワン35の順番は入れ替わる。

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