ニュース
ツール・ド・とちぎ第2ステージ、周回レースのスプリント勝負を制したのはボグダノヴィッチ
レース
2019.03.23
寒空のもとで行われた2日目、勝負の行方は
3月23日(土)、矢板市のツール・ド・とちぎ第2ステージ、前日とは打って変わって大幅に冷え込んだ。風もかなり強く、吹きっさらしの地形は、選手たちを苦しめた。
14.8kmのコースを8周回するこのコースは、若干のアップダウンとほぼほぼ平坦路で構成された。
序盤に逃げを試みるべく複数の選手が飛び出そうとするが、決まらず。
2周回目の山岳ポイント前に日本チャンピオンの山本元喜(キナンサイクリングチーム)が単独で抜け出すが、リーダージャージ擁するチームサプラサイクリングのコントロールによりあえなく吸収。そのあとも少数が抜け出しを図るもののことごとく吸収された。
大きな逃げグループが形成されたのは、4周回目の山岳ポイントを過ぎた後だった。
バーチャルでのリーダー交代
前日のタイムトライアルで総合リーダージャージを着用していたベンジャミン・ダイポール(チームサプラサイクリング)自らが逃げに加わったことにより、2位につけていたオールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ)も反応。
十数名の比較的大きな、そして力のある選手たちが揃った。
前日までのダイポールとの秒差が1秒に満たないオールイスは、2回目のスプリントポイントを獲得し、ボーナスタイムのマイナス2秒を獲得。バーチャルでのリーダージャージとなった。
これまでのツール・ド・とちぎでは、ロードレース初日に数名の逃げグループが形成され、逃げ切り勝ちのパターンが多く見られる。そして総合はその逃げグループにいた選手たちで争われている。
今回もそのような形になるかと思われたが、逃げにロビー・ハッカーのみを送り込んだチーム右京がそれを許さなかった。猛烈な集団牽引により、残り2周を残したところで逃げグループを吸収した。
最終スプリント、一列横並び!
全てを飲み込んだプロトンはスプリント争いにシフト。
ラスト2kmほどから地元宇都宮ブリッツェンやシマノレーシングらが先頭に位置する。しかし最後の直線で見えたのは、黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング)、マリス・ボグダノヴィッチ(インタープロサイクリングアカデミー)、パク・サンホン(LXサイクリングチーム)の横並びだった。
最後のひと伸びに勢いがあったボグダノヴィッチがロードレース初日のスプリント勝負を制した。
ボグダノヴィッチは、こう話す。
「振り返ってみて今日はいいレースでした。周回レースは僕が得意としていて、前半はアグレッシブに動けたと思います。
そのあとはスプリントポイントを取ることに集中し、最初のスプリントポイントを取れました。スプリントポイントを過ぎてから大きな逃げができたので、今日のレースは終わったかなと思ったのですが、チーム右京の引きによって追いついてくれて、自分たちにとってもラッキーでした。
その時点で自分は脚が残っていたので、勝てるという自信が出てきました。」
リーダージャージを獲得した22歳のベネズエラ人オールイスは、「今日は早い展開のレースでした。風も影響したかと思います。
途中逃げもありましたが、チームがまとまって追い上げるシーンもありました。僕自身はこれまでに非常にいい準備ができていて、調子が良かったので、逃げでも集団スプリントでも狙えると思ったのですが、機材トラブルがあって最後は取ることができませんでした。
リーダージャージは獲得できたので、この調子で明日も守っていきたいです。」
第2ステージ リザルト
1位 マリス・ボグダノヴィッチ(インタープロサイクリングアカデミー) 2時間38分31
2位 レイモンド・クレダー(チーム右京) +0秒
3位 黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング) +0秒
総合成績
1位 オールイス・アルベルト・アウラール・サナブリア(マトリックスパワータグ) 2時間45分15
2位 マリス・ボグダノヴィッチ(インタープロサイクリングアカデミー) +1秒
3位 ベンジャミン・ダイポール(チームサプラサイクリング) +1秒
ポイント賞
マリス・ボグダノヴィッチ(インタープロサイクリングアカデミー) 30pt
山岳賞
アンガス・ライオンズ(オリヴァーズリアルフードレーシング) 7pt
U23
ライアン・シュルト(オリヴァーズリアルフードレーシング)
チーム総合
チームサプラサイクリング
text&photo:滝沢 佳奈子