ウィリエール・チェント1NDR　ディスク＆リム両方のブレーキに対応

昨年発表されたチェント10NDRというモデルを覚えているだろうか。パリ〜ルーベや、ヨーロッパで人気の過酷な長距離レースに対応し、かつエアロ形状も意識したチューブ形状に、ワイヤを内蔵できるオリジナルのハンドル「バッラ」とステム「ステンマ」を用意。ブレーキ規格がディスクブレーキとリムブレーキの過渡期ということで、どちらの規格でも組むことができる設計だった。最大の特徴はシートステーとシートチューブの結合部にエラストマーを介したリンク「アクティフレックス」を備えていたことだ。これによりリヤからの衝撃を緩和することができた。

さて今年登場したのはチェント1NDR。数字が減っていることからもセカンドグレードであることが分かる。事実、各規格が簡素化されている。ディスクブレーキとリムブレーキの両方に対応する部分は共通だが、「アクティフレックス」は省略されている。また、ハンドルまわりは通常のステムとハンドルで気軽に組めるように汎用性の高い設計を採用している。

フレーム素材はチェント10NDRが60tカーボンまで使用していたのに対して、チェント1NDRは46tカーボンを使っている。基本的なフレームのシルエットは、チェント10NDRを踏襲している。スルーアクスルハブとリムブレーキ用リムで組んだホイールを用意すれば、剛性の高いスルーアクスルハブでダイレクトマウントリムブレーキが使える面白さも生まれる。

実際の走行性能は、ロードバイクとしていたって素直な乗り味。チェント10プロの後に乗ってしまうと、重量やハンドリングの緩慢さを感じるが、それは翻って安定性の高さゆえとも言える。速く走りたい人のためのチェント10プロ。ゆっくりだけど安定して走りたい人のチェント1NDRだ。リヤセクションは「アクティフレックス」がないのは寂しいが、それによって変化を感じたのは、快適性の低下というより路面からリヤが跳ねやすくなったという部分だった。

走行性能には直接関係ないが、このマットなスカイブルーとレッドを組み合わせたフレームカラーはいいなと思った。

 

フレームセット価格／ 32万円
シマノ・デュラエース完成車価格／ 51万円
シマノ・アルテグラ完成車価格／ 39万5000円
シマノ・105完成車価格／ 35万5000円


フレーム：カーボン
フォーク：カーボン　
コンポーネント：シマノ・アルテグラディスク　
クランク：シマノ・アルテグラ　
ホイール：マヴィック・コスミックエリートUSTディスク　
タイヤ：マヴィック・イクシオンプロUST　700×25C　
ハンドル：FSA・エナジーコンパクト　
ステム：FSA・SL-K　
サドル：アスチュート・スターライン　
シートポスト：リッチー・WCS １ボルトポスト　
カラー：マットブラック、マットブルー　
サイズ：XS、S、M、L、XL