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ウィリエール社長へインタビュー!

イタリア自転車産業の中心地であるヴェネト州。多くのイタリア自転車関連メーカーが本社をかまえるこの地に、ウィリエールトリエスティーナ(以下ウィリエール)も本社を置く。創業から100年以上の歴史をもつ同社の社長エンリコ・ガスタロデッロ氏がサイクルモードにあわせて来日。ウィリエールの自転車作りについてのインタビューすることができた。
text●ナカジ photo●小見哲彦

ウィリエールのニューモデル「チェントウノSR」について教えてください

OK、フレーム重量689gと軽量に仕上がっていて、インテグレーテッドBBシステムのBB386EVOを搭載している。時代の流れに合わせて、コンポーネントはメカニカルと電動の両方に対応しているよ。エアロダイナミクスを向上させるために、カムテールデザインという、翼断面チューブ後端を切り落としたような形状を、フォークブレードとシートチューブに採用している。またリヤエンドパーツを3Dドロップアウトというボリュームのあるものにして剛性が高めたので、変速性能の向上に貢献している。車名は、わが社のラインナップにあったチェントから引き継いでいる。チェントはウィリエールのバイクとして知名度が高いから、その流れを汲んでいるということがわかりやすいでしょ? プロ選手が使用するのを前提に開発したので、重量もスラム・レッドやカンパニョーロ・スーパーレコードで組んだときに6.8kgに仕上がるようになっているんだ。 ●ウィリエール・チェントウノSR シマノ・デュラエース(11S)、WH-9000-C24完成車価格/67万7000円 シマノ・デュラエース(11S)、WH-RS21完成車価格/59万8500円 シマノ・アルテグラ、WH-RS61完成車価格/49万9000円 フレーム価格/39万9000円(別カラーは44万9000円)

いまはフレームそざいとしてカーボンファイバーが主流ですが、カーボンの次に来る素材は何だと思いますか?

まだカーボンファイバーの時代が続くと思っている。カーボンもまだまだ進化しているからね。コンフォートな乗り味のバイクを提案していければと思っているよ。

BB386エボでトータルインテグレーションの流れを感じましたが、今後それが進んでいくと思いますか?

少しイエスだね。というのはコンポーネントメーカーと組んで、新しいフレームを開発していきたいとは考えているけど、例えばトレックのニューマドンのようにシマノのダイレクトマウントとの互換性を高めすぎてしまうと、他社のコンポーネントが使えないからね。

ニューモデルの開発にはどれくらいの時間をかけていますか?

プロジェクトのスタートから、最初のプロトタイプを作るまでに、大体半年から1年かけている。そこからテストをくりかえして市販できるものへと仕上げていくんだ。もちろんマーケティングやプロダクトマネージャーとも相談しながら進めるよ。価格と性能のバランスに気を使っているね。もちろん、ツール・ド・フランスのような大きなレースでテストを続けている。来年はコロンビア・コルデポルテスというプロコンチネンタルチームにサポートする予定だ。 そうそう、質問とは違うけど、ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスのような大きなレースにはたくさんのメディアが来て取材してるけれ、こっちのホビーサイクリスト事情を知るには「シクロツーリズム」を体験してみるといいよ。とても人気があって、人生を楽しむという意味ではお勧めだね!

ブースでは4kg!に仕上げたウィリエールゼロセッテも展示

ウィリエールの誇る軽量モデル「ゼロセッテ」。フレーム重量750gを誇るこのバイクに、これでもかと軽量パーツをおごった完成車が参考出品されていた。その重量、サイズXSのペダルなしで4kgフラット! メインコンポーネントにスラム・レッドを使い、クランク、ブレーキ、シートポスト、サドルにはAXライトネス。フロントディレーラーはティソ。チェーンリングはファイバーライト社のフルカーボン製だ。ホイールはエンヴェのリムに、ダッシュ製ハブを使用。  

問い合わせ先

服部産業 http://www.wilier.jp
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