ウィリエール・トリエスティーナ2016年モデルの目玉「GTR-SL」登場
正統派エンデュランスロードの機能を備える
2016年モデル「GTR-SL」の発表会が、ジロ・デ・イタリアのコースとしてたびたび登場するドロミテ山塊の麓の街コルティーナ・ダンペッツォで開催された。
すでに同社のミッドレンジモデルとして「GTR」は存在するが、その上位モデルとなる。2015年のラインナップで言うとゼロ9に相当するグレードだ。他社のロードバイクラインナップに目をやると軽量モデル、エアロロードとならんで必ずエンデュランスロードをラインナップしているが、ウィリエール・トリエスティーナには高価格帯のモデルにそれがなかった。
GTR-SLはその穴を補うべく登場したもの。非常に細く絞られたシートステーによってリヤからの衝撃を緩和し、ここ数年のトップレンジに採用されてきた左右非対称チェーンステーによって、ドライブトレインの動きを妨げないようにしつつ、ねじれ剛性を確保しペダリングパワーのロスをなくしている。
タイヤクリアランスも大きく取られており、28Cまでの太さのタイヤを装着することが可能となっている。またサイズごとの作りわけが丁寧なのも魅力だ。各サイズごとにトップチューブとダウンチューブの太さを変更し、サイズが違っても同じ乗り味になっている。
ゼロ7やチェント1シリーズと比べて、ヘッドチューブ長が1cmずつ長くなっており、より幅広いニーズに応えるモデルだ。フロントトライアングルの空間が広く取られており、小さなサイズでもボトルケージからボトルが取り出しやすくなっている。
ウィリエール・トリエスティーナの”セオリー”を忠実におさえている
●ワイヤ類は機械式、電動ともに内蔵。ヘッドチューブは下ワンに1-1/4インチ径を採用する上下異型だ。
●シートポスト径は27.2mmと細身にすることで快適性向上をねらう。
●フォークは同社のエアロロードのチェント1Airの流れをくむカムテール形状。幅は広くなり横方向の剛性が強化されている。
●BB規格はプレスフィットタイプを採用している。
●ダウンチューブ形状は、いわゆるカムテール形状のエッジをゆるくしたデザインに。これによって、縦横の剛性バランスをこのモデルに最適化している。また低い位置にダウンチューブを取り付けることで、小さいサイズでもボトルを取りやすくなっている。
●おなじみの左右非対称チェーンステーは、リヤセクションに必要なねじれ剛性の確保と、チェーンとのクリアランスが大きいので、悪路でチェーンが暴れてもフレームにダメージを与えにくい。
●GTRはモノシートステーであったが、GTR-SLではダブルステーにし、より積極的に振動を減衰する。
●細身のシートステーは振動吸収性と路面追従性をアップさせる。
試乗記事などは現在発売中のサイクルスポーツ9月号をチェック!
発売中のサイクルスポーツ9月号には、この製品紹介に加えてブランドヒストリーやナカジの試乗記事。発表会に参加したショップ店長によるGTR-SLの印象が掲載されている。
価格:シマノ・デュラエース/アルテグラMix完成車価格/48万6000円、同・アルテグラ完成車価格/40万円、同・105完成車価格/36万3000円、フレームセット価格/30万円(価格はすべて税抜)
カラー:ブラック/レッド(写真上のモデル)、アシッドグリーン、イエロー/レッド