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【全日本選手権】個人TT・女子エリートは昨年に続き與那嶺恵理が制す!

伊豆大島で開催中の全日本選手権。6月24日午後12時から、女子エリートカテゴリーの個人TTが行われた。全14選手が1分おきにスタート台に立ち、スタートラインを切る瞬間を待つ。

 
text&photo 滝沢佳奈子

エリート初参戦の梶原が嬉しい表彰台へ



全日本選手権・個人TT【女子エリート】のコースはアンダー23やジュニアなどと同じ11.2kmの周回コースを2周する。注目は何と言っても1月にまったく同じコースで実施されたアジア選手権のTTで優勝を飾った萩原麻由子(Wiggle High 5)と昨年の個人TTで日本チャンピオンに輝いた與那嶺恵理(Hagens Berman upermint Pro Cycling Team)。また、今年からエリートカテゴリーに上がった梶原悠未にも注目が集まった。

最後から3番目にスタートを切り、順調な滑り出しを見せた梶原は暫定1位で中間計測地点を通過する。その後もその勢いのままに、暫定2位の選手と40秒の差をつけてゴールラインにたどり着く。

梶原の後に、萩原、與那嶺の順でスタートしていく。最終走者である與那嶺は、1分前にスタートし前を走る萩原との差をじわじわと縮めていき、いよいよゴール数100m前の地点で捕らえた。ゴール後、昨年に引き続き二冠となった。

 
淡々とペースを刻む與那嶺
淡々とペースを刻む與那嶺

與那嶺恵理のコメント

CS:今の気持ちを教えてください。

​與那嶺:ホッとしてます。とりあえず勝つことを目標にしてたので、何秒差でも勝つことができて良かったです。

CS:この個人TTに向けて、TTの練習を積んできたのですか?

​與那嶺:TTはもうレースだけです。アメリカのレースと前日くらいで。コースによってTTもまったく走り方違うので・・・

CS:明日のロードレースに向けた意気込みは?

與那嶺:明日も勝つことが大事なんで、勝ちを狙っていきます。

 
順位を聞いてやりきった安堵の表情を浮かべる與那嶺
順位を聞いてやりきった安堵の表情を浮かべる與那嶺

梶原悠未のコメント

昨年までアンダーのカテゴリーでタイトルを総ナメにしてきた梶原悠未に今回の個人TTの感想を聞くと、好成績に驚きながらも非常に嬉しそうに答えた。

梶原:まさか表彰台にも上がれると思ってなかったんで、すごい嬉しいです。自分がエリートでどこまで通用するか、初めてだったのでまったく想像もつかなくて、今日はタイムとか順位とか時速も、メーターも付けないで、気にせずに30分間自分自身と限界まで戦おうという覚悟をして走りました。

CS:今回の個人TTに向けて、どのように練習しましたか?

梶原:大会前、TTバイクは外ではまだ一回しか乗っていなくて、大学では今一人で練習しているので室内練くらい。TTに向けては特にやっていないです。全然わからなかったので、普段通り練習して、いつも通り臨みました。調整の仕方もわかってないので、いつも通りに走りました。

CS:明日のロードレースは、どのように走りますか?

梶原:今日2位という結果で少し自信がついたので、明日は狙っていきたいと思います。初めてのエリートのレースなんで、どういう展開なのかもまったくわからないんですけど、展開次第では自分にチャンスが回ってくると思うので、その時はしっかり積極的な走りができればいいと思っています。

 
エリート初参戦の梶原がスタートを切る
エリート初参戦の梶原がスタートを切る
思わぬ表彰台獲得に笑顔を見せる梶原と喜びの涙を流すお母さん
思わぬ表彰台獲得に笑顔を見せる梶原と喜びの涙を流すお母さん


6月25日(土)の女子エリート・ロードレースは、大島支庁を午後1時にスタートし、一周11.9kmの大島西海岸コースを9周する107.1kmのコース。果たしてUCIポイントの獲得にもつながる萩原の連覇なるか、それとも他の選手がチャンスをモノにできるか注目したい。


全日本選手権・個人TT【女子エリート】22.4km
1位 與那嶺恵理(Hagens Berman Pro Cycling) 31分47秒10
2位 梶原悠未(筑波大学)  +37秒
3位 萩原麻由子(Wiggle High 5)  +1分1秒
http://nationalchampionships-road.com

 
体格が他の選手よりも大きく、ブレの少ないペダリングをする萩原
体格が他の選手よりも大きく、ブレの少ないペダリングをする萩原