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2017全日本選手権個人タイムトライアル・ロード・レース大会 エリートは男女ともに連覇達成!
レース
2017.06.23
6月23日(金)、いよいよ今年も日本の頂点を決める日がやってきた。初日は全カテゴリーのタイムトライアル、2日目はU23と女子エリートのロードレース、そして最終日に男子エリートのロードレースが予定されている。まだまだ梅雨の湿っぽさを感じさせない青森県三戸郡橋上町の朝は、雲から顔を出す綺麗な青空が選手たちを出迎えていた。気温は20度前後で風もそこまで強くはない。
全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会は今年で第21回目となる。朝8時、女子ジュニア+U17から始まり、続いて男子U17+U15、男子ジュニア、男子U23、パラサイクリング、女子エリート、男子エリートの順で出走。アップダウンを含むがほぼ平坦の13kmのコースを女子エリートとパラサイクリングのタンデムは2周ずつ、男子エリートは3周、それ以外は1周する。
text&photo●滝沢 佳奈子
全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会は今年で第21回目となる。朝8時、女子ジュニア+U17から始まり、続いて男子U17+U15、男子ジュニア、男子U23、パラサイクリング、女子エリート、男子エリートの順で出走。アップダウンを含むがほぼ平坦の13kmのコースを女子エリートとパラサイクリングのタンデムは2周ずつ、男子エリートは3周、それ以外は1周する。
text&photo●滝沢 佳奈子
男子エリートは西薗が連覇を達成
続くウェイブ2では、誰もが昨年に引き続き西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)を優勝候補筆頭に挙げる中、途中経過で半周したところのトップタイムを宇都宮ブリッツェンの岡篤志が更新、1周回目完了時の1番時計を刻んだのは、同じく宇都宮ブリッツェンの若手、小野寺玲であった。
2人ともU23対象者にも関わらず、今回はエリートカテゴリーでの参戦を表明。ナショナルチームにも呼ばれ、海外でのレースも経験した2人は早速成長の証を見せつける。
しかしタイムトライアルをよく知るベテラン選手たちは後半こそが見せどころ。昨年1位の西薗と昨年2位の佐野淳哉(マトリックスパワータグ)が黙っているはずがない。2周回目終了時には、西薗がトップに、佐野が2位に躍り出る。この時点で西薗と佐野の差は15秒ほど。さらに佐野の1秒後ろに小野寺が続く。
佐野は、「ペース配分としては2周目もうちょっと上げたかったかな、というところはありますね。もっと自分の調子が良かったらもうちょっと走れたと思うんですけど」と振り返る。
3周回目に入り、序盤の下り区間で佐野が一気にタイム差を4秒まで詰める。しかし西薗は焦らなかった。「逆にそこで(タイム差が)マイナスじゃなければ、最後上り区間では自信があったので一気に力を出し切ることで勝てると思った」。その自信の通り、上り区間で詰められた差をまたしても15秒にひっくり返してゴールした。
相変わらずの強さを見せた西薗が昨年からさらに変えたことについて、「シューズとかそういう細かいところでポジションを調整できていなかったのがアジア選手権の敗因でもあったので、そういうところを細かく調整し直してトレーニングを積み重ねてきたのが大きいです。最初から最後まで常に全開というだけではなかなか勝てないので、地形に合わせたペース配分などを何度も何度も練習しました」と話した。
またしても2位という結果となった佐野は、「チームメイトに助けてもらって、今の実力としてはちゃんと走れたと思うんですけど、結果また2位という結果しか持ち帰れなかったので、そこは何かが失敗したというより、タイムトライアルは自分がやってきたことの結果でしかないので、何か足りない部分があるというふうにしか思えなかったですね。このレースは良くできたということが評価されるレースではないので。」と悔しげな表情をのぞかせた。
3位にはトップから16秒の差で小野寺、21秒差で岡が入った。先輩たちとの壁はまだまだ厚い。しかし若手がそれを乗り越えられる日も近いのではと感じさせてくれるような結果にも思えた。特に増田成幸不在の宇都宮ブリッツェンでは、若手の選手たちが半ば強制的ともいえるような成長”しなければいけない”機会がここのところ頻発しているように見られる。
エースのために一生懸命働くことももちろん大事な経験だが、自分が勝ちに行くという機会を手にできる経験は若手選手たちにとっても今後の大きなはずみになるに違いない。また、昨年U23カテゴリーのダブルタイトルを獲得した小林海も今年が初めてのエリートカテゴリー参戦。5位という結果で存在感を残した。
女子は與那嶺が大差をつけて余裕の勝利
昨年がエリート初参戦で2位という結果を出した梶原悠未(筑波大学)は、與那嶺の1分前にスタートを切っていたが、1周目が終わり2周目に入ったところで後ろから與那嶺がとらえる。
「今回、中日がなくて明日もあるので、(梶原に)追いついた時からもうそんなに踏まず、抑えめで走った」という與那嶺。2周回目は、1周回目よりもラップタイムは落としたものの十二分ともいえる差をつけてのゴールとなった。最終的には、2位の梶原に1分30秒、3位の唐見実世子に1分52秒もの大差をつけての余裕の連覇を挙げた。
普段、與那嶺はFDJの女子チームでヨーロッパを拠点として活動する。チーム内での役割について聞くと、「エースはもちろん強いんですけど、エースを最後までアシストできるようなレベルじゃまだまだないので」と先を見つめる。まずはタイムトライアルのタイトルを取った感想を聞くと昨年と同じ答えが返ってきた。「ホッとしてます。嬉しいです。また1年(全日本チャンピオンジャージを)着れるので」と笑顔を見せた。
第21回全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会リザルト
女子ジュニア+U17
1位 下山 美寿々(大阪教育大順天王) 18分57秒71
2位 石上 夢乃(横浜創学館高校)19分33秒84
3位 菅原 ななこ(東北高校)20分32秒51
男子U17+U15
1位 津田 悠義(EQADS)18分06秒41
2位 四宮 寛人(北桑田高校)18分28秒84
3位 檜村 奏太(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)18分31秒97
男子ジュニア
1位 松田 祥位(岐阜第一高校)16分39秒24
2位 佐藤 健(九州学院高校)17分02秒12
3位 山本 哲央(韮崎高校)17分22秒80
男子U23
1位 新城 雄大(EQADS)16分42秒46
2位 石原 悠希(順天堂大学)16分42秒86
3位 石上 優大(AVC AIXOIS)16分46秒37
男子エリート
1位 西薗良太(ブリヂストンアンカー)49分39秒76
2位 佐野 淳哉(マトリックスパワータグ) 49分55秒04
3位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)49分56秒41
女子エリート
1位 與那嶺 恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope)36分05秒62
2位 梶原 悠未(筑波大学)37分36秒53
3位 唐見 実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)37分58秒30
2017日本パラサイクリング選手権・ロード大会リザルト
パラサイクリング男子C1-5
1位 藤田 征樹(日立建機株式会社)17分49秒90
2位 川本 翔大(大和産業株式会社)19分02秒92
3位 相園 健太郎(全日本空輸株式会社)20分11秒30
1位 下山 美寿々(大阪教育大順天王) 18分57秒71
2位 石上 夢乃(横浜創学館高校)19分33秒84
3位 菅原 ななこ(東北高校)20分32秒51
男子U17+U15
1位 津田 悠義(EQADS)18分06秒41
2位 四宮 寛人(北桑田高校)18分28秒84
3位 檜村 奏太(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)18分31秒97
男子ジュニア
1位 松田 祥位(岐阜第一高校)16分39秒24
2位 佐藤 健(九州学院高校)17分02秒12
3位 山本 哲央(韮崎高校)17分22秒80
男子U23
1位 新城 雄大(EQADS)16分42秒46
2位 石原 悠希(順天堂大学)16分42秒86
3位 石上 優大(AVC AIXOIS)16分46秒37
男子エリート
1位 西薗良太(ブリヂストンアンカー)49分39秒76
2位 佐野 淳哉(マトリックスパワータグ) 49分55秒04
3位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)49分56秒41
女子エリート
1位 與那嶺 恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope)36分05秒62
2位 梶原 悠未(筑波大学)37分36秒53
3位 唐見 実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)37分58秒30
2017日本パラサイクリング選手権・ロード大会リザルト
パラサイクリング男子C1-5
1位 藤田 征樹(日立建機株式会社)17分49秒90
2位 川本 翔大(大和産業株式会社)19分02秒92
3位 相園 健太郎(全日本空輸株式会社)20分11秒30